鉄塔(河南省開封)

 鉄塔は、北宋の都だった開封にあります。北宋時代の皇祐元年(1049年)に建造されました。レンガ造りですが、慣習的に鉄塔と呼ばれています。写真を見て戴くとおわかり戴けると思いますが、結構細部にまでこだわっていて、軒下に斗供や垂木が見えています。もちろん構造材ではありません。
 八角13層、高さ約56mです。13層まで昇ることができますが、内部は狭く、頭を下げて中腰の姿勢でしか進めません。昇る人と下る人が途中でかち合うとすれ違いができません。そこで何カ所かすれ違い空間が設けてあります。最上階で向きを変えられるか心配でしたが、私は大丈夫でした。少し太った人は無理かもしれません。それぐらいの空間しかありません。
 現地の鉄塔の説明書きに、大型の「琉璃磚塔」(原文は、簡体字)との説明書きがあります。私は、琉璃を瑠璃のことと思いまして、瑠璃色は、ラピスラズリから作ったマリンブルー色のことをいうので、ちょっと違和感がありました。辞書で調べると、この場合の琉璃は、瑠璃とは違うようで、琉璃磚は、ラピスラズリ等の珪酸化合物を釉(うわぐすり)にして焼いた煉瓦(磚は中国でレンガのこと)のことをいうようです。確かに、鉄の錆色に見えます。

<画像の説明>画像1 鉄塔全景 画像2 鉄塔拡大図 軒下の斗供と垂木に注目してください

2017年04月04日