平城京跡(奈良県奈良市)
平城京跡は、奈良平城京の大内裏等遺跡の跡地の整備そして建造物の復元を進めている特別史跡です。1998年に、遺跡としては日本で初めて、世界遺産に登録されました。
大極殿(第一次)・朱雀門・東院庭園地区の復元等が完了しています。これらの費用は、全額国費で賄われています。
<画像の説明>画像左または下:平城京朱雀門 画像右または上:平城京大極殿
遺跡は、建物の規模や概略の形式を特定することができますが、復元するうえで詳細にはわからないことが多いそうです。例えば、朱雀門の鴟尾が、果たしていつごろから有ったのかは、意見が分かれるそうです。
<画像の説明>画像左または下:平城京朱雀門の鴟尾 画像右または上:平城京朱雀門の軒下
奈良時代、平城京に都が定められていましたが、恭仁京(*1)、難波京、紫香楽京と奠都(てんと)されました。建物の外観を決めるうえで、その都度解体され、そして再建されたことが複雑化の理由の一つです。
平城京跡には、当時の建造物は一切残されていませんが、唐招提寺講堂は、平城京東朝集殿を移築したものです。鎌倉時代に切妻屋根を入母屋に改築されていますが、平城宮唯一の建築遺構として貴重です。
<画像の説明>画像左または下:唐招提寺講堂 画像右または上:平城京跡の近鉄奈良線
今、敷地内を近鉄奈良線が走っています。2017年に移設に関して、奈良市、奈良県と近鉄の間で協定が結ばれました。近鉄は、文化財の保存に多く貢献をされている実績があります(*2)。沿線には、文化財がたくさんあり、費用面からは大変と思いますが、ぜひ頑張ってほしいと思います。
(*1)恭仁京の発掘調査も、京都府教育委員会により現在も進められ、多くの成果が上がっています。
(*2)例えば、奈良市学園前の大和文華館は、1960年、近鉄の創立50周年を記念して開館しました。