足利学校(栃木県足利市)

 足利学校は、現地で戴いたパンフレットによりますと、足利学校の創設は諸説ありますが、あまりはっきりしていない様ですが、関東管領上杉憲実(うえすぎのりざね)により1432年頃に再興されたとされます。

 

<画像の説明>復元された足利学校の方丈と庫裏

 足利学校の実態は、それほど分かっていませんが、1549年、フランシスコ・ザビエルにより「日本国中最も大にして、最も有名な坂東の大学」と世界に紹介されました。フランシスコ・ザビエルが、当地に赴いたわけではないのに、どのようにしてこの情報を得たかは、私は良く知りません。

 

<画像の説明>足利学校入徳門

 富樫倫太郎氏の小説『早雲の軍配者』に、主人公の風間小太郎が、学問のために足利学校に入学するシーンがあります。北条早雲の晩年、フランシスコ・ザビエルが日本に来る数十年前の時代設定ですが、学徒3,000人、名実ともに日本の最高学府との記述があります。小説の記述ですので、本当である必要は無いのですが、現在の遺構からは学徒3,000人は想像できません。小説の中では、小太郎が、孫子、呉子、易経等を筆写しながら、独学で学んでいくシーンが描写されています。


 現地を見る限り、私のイメージですが、学校というより図書館に近いのではないかと考えました。 フランシスコ・ザビエルの記述はともかくも、室町時代、戦国時代の足利学校に関する記述が、中央の文献にそれほど多くないことからは、その時代の実態はあまりわからないのではないかと思います。更に詳細な調査をお願いしたいと思います。


 昭和57年より、「史跡足利学校跡保存整備事業」が実施され、平成2年江戸中期の姿がよみがえりました。足利学校は、日本遺産に認定されましたが、世界遺産を目指して活動されています。更に頑張って戴きたいと思います。

 

 

                   <画像の説明>足利学校入学証
           (入場時にパンフレットと一緒にもらえます。)

2017年06月19日