殷墟(河南省安陽)
殷墟は、「商」(日本では一般に「殷」と言われる)の都でした。「商」は都を転々としましたが、殷墟はその最後の都です。今の河南省安陽市にありました。ここでは、多くの甲骨文字が発掘展示されています。甲骨文字は、文字の書かれた骨が竜骨として売られていたものの中から、王懿栄氏が発見した話は有名です。
<画像の説明>甲骨文字(殷墟博物館において)
<画像の説明>いずれも殷墟博物館において
ところで、殷以前の「夏」は伝説上の国とされていましたが、約200㎞南の鄭州市(河南省省都)の二里頭村の二里頭遺跡が、炭素14年代測定法により、殷時代以前であることが確定しましたので、中国では「夏」の存在が確実視されています。
西安、北京、南京、洛陽を中国では旧来4大古都と言いましたが、宋の都だった開封(北宋)、杭州(旧臨安、南宋)が古都に加えられて、6大古都となり、更に1988年に安陽、2004年に鄭州が加えられて現在は8大古都と言われています。
高校時代に、世界史の授業で、夏殷周秦・・・と中国の歴代の王朝を覚えさせられた人も多いと思いますが、河南省は、中国文明発祥の地です。8大古都のうち、鄭州(夏)、安陽(殷)、洛陽(周)の3古都が、河南省に位置しています。