当麻寺(奈良県)

 当麻寺は、創建の由緒は別にありますが、金堂の弥勒如来(菩薩ではない)、多聞天以外の四天王は、飛鳥後期の造像であり、創建もその時代と考えることが妥当です。四天王は、あごひげをはやして、異国情緒があります。

 一方、現在の当麻寺は、参道が東から西に長く続き、本堂は、東向きに建てられています。当麻寺の「当麻曼荼羅」は、西方極楽浄土の様子を表しており、平安時代以降、阿弥陀信仰が、庶民の強い信仰の対象となりました。そのため、弥勒如来の安置された金堂と当麻曼荼羅の安置された本堂(曼荼羅堂)が併存しています。

 

 当麻寺は、創建当時の東塔と西塔の両方が現存する唯一のお寺としても有名です。東西両塔は、当麻寺の阿弥陀信仰が盛んになる前に建てられており、金堂と同じく南向きです。

 

<画像上段>
 現在西塔は、修復工事中で、平成32年頃の完成予定とのことです。

<画像下段>

 画像正面が本堂、左手が金堂。
 金堂内の広目天と多聞天は改修中で、現在、拝観できません。

(2017年3月17日現在)

 当麻寺は、寺名では、當麻寺、地名、駅名等は、当麻寺と表されることが多いですが、ここでは、すべて当麻寺で統一しました。

2017年03月20日