清凉寺兜跋毘沙門天(京都)

 清凉寺の兜跋(とばつ)毘沙門天立像は、制作時期 平安後期(11世紀頃)、重要文化財です。東寺兜跋毘沙門天像の模刻像です。獅噛、胸当て、海老籠手等は、東寺像の模刻ですが、東寺像にある金鎖甲はありません(或いは色彩が施されていたが、現在は、色彩が消え去ったのかもしれません)。金鎖甲がないこととまっすぐ前を見、東寺像の様に横睨みしない点で、美術品としての迫力はかなり失われています。地天女と二鬼が兜跋毘沙門天を支えます。

<画像の説明>清凉寺仁王門


<画像の説明>清涼寺本堂

 当毘沙門天立像は、清凉寺霊宝館にありますが、撮影禁止です。絵葉書は売られています。春と秋に特別拝観があります。画像を当HPでご紹介できないのが残念です。
当寺の毘沙門天像は、東寺の模刻像ですが、毘沙門天像が祀られた理由は、当寺が、融通念仏の道場となったことで、鞍馬寺との関係が指摘できると考えられます。鞍馬寺は、同じ融通念仏の主要な道場となっており、本尊が毘沙門天像だからです。
兜跋毘沙門天と鞍馬寺に関しては、本編に詳細に記載していますので、こちらもご覧ください。

 ➡兜跋毘沙門天について

 ➡兜跋毘沙門天の展開

 ➡幸福神としての毘沙門天

2017年08月13日